梅毒にかかると4つのステージにわけられた症状が引き起こされます。体内に入り込んだトレポネーマは血液の流れにのり、全身へと広がっていきます。
第一期は感染してから3週間後くらいに起こります。感染した部分の皮膚や粘膜に、人間の人差し指ほどの大きさで軟骨くらいのかたさのしこりができます。
そしてしこりの中心部分が堅く盛り上がります。また太ももの付け根部分が痛みはないものの腫れていきます。
感染してから3ヵ月後には第2期の症状がやってきます。第2期では、血液に乗ったトレポネーマが全身に広がり始めます。
まずは体の中心の線上にピンク色の円形のアザができはじめ、赤茶入りのエンドウ豆くらいのぶつぶつができはじめます。
そして、脱毛も見られます。第2期の症状は3ヵ月から3年続き、その後は症状がなくなります。
第3期の症状は感染から3年以上経った頃に現れ始めます。症状としては、皮下組織に大きめのしこりができます。結節性梅毒疹やゴム種などと言われています。
そして最後の第4期ではトレポネーマが全身に周り侵していき、大動脈炎、大動脈瘤、脊髄癆などが起こるなど心臓や血管、神経、目などに重い障害が見られます。最終的には死に至るという場合もあるほどです。
梅毒は1987年に感染者のピークがありましたが、ペニシリンなどの発見により治療が可能となり、早期の治療があれば完治する病気であります。
そのために、第3期、第4期の症状が見られることは現在では殆どなくなりました。
早期発見から治療を行ったとしても、薬の効果の確認に時間がかかってしまったり、無症状の期間もあるために、もしも梅毒に罹ってしまった場合には、慎重に症状を見ながら治療を進めていかなければなりません。
I期梅毒として感染後3~6週間の潜伏期の後に、感染局所に初期硬結や硬性下疳、無痛性の鼠径部リンパ節腫脹がみられる。
II期梅毒では、感染後3か月を経過すると皮膚や粘膜に梅毒性バラ疹や丘疹性梅毒疹、扁平コンジローマなどの特有な発疹が見られる。感染後3年以上を経過すると、晩期顕症梅毒としてゴム腫、梅毒によると考えられる心血管症状、神経症状、眼症状などが認められることがある。なお、感染していても臨床症状が認められないものもある。
先天梅毒は、梅毒に罹患している母体から出生した児で、(1)胎内感染を示す検査所見のある症例、(2)II期梅毒疹、骨軟骨炎など早期先天梅毒の症状を呈する症例、(3)乳幼児期は症状を示さずに経過し、学童期以後にHutchinson3徴候(実質性角膜炎、内耳性難聴、Hutchinson歯)などの晩期先天梅毒の症状を呈する症例がある。また、妊婦における梅毒感染は、先天梅毒のみならず、流産及び死産のリスクとなる。
引用元:梅毒臨床的特徴‐厚生労働省
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梅毒の初期症状
1928年のペニシリンの発見以来、治癒できる病気となり、現在ではその患者数も減っている梅毒ですが、実は日本国内だけでも、数百人が新たに感染していると報告がされていますが、実際には数千人単位で新規で感染している人がいると言われる病気です。
梅毒の症状は4つの期に別けることができ、その症状は時間の経過と共に悪化していきます。
感染してから3週間ほどの潜伏期間のあとに訪れる梅毒の第1期の初期症状は、感染した患部に5mmから20mmほどの赤くて固いしこりができはじめます。
これを初期硬結といいますが、通常は1つしかできません。初期硬結がそのまま引っ込み腫瘍になり、硬性下疳と呼ばれる中心部がただれている潰瘍となります。
この硬性下疳ができる箇所は亀頭周辺、膣周辺、肛門、乳房、口腔内、指などどこにでもできてしまいます。また第1期では太ももの付け根のリンパ節が腫れてしまうこともあります。
しかし、これらの第1期の症状はいずれも痛みなどがないことが多く気がつかない場合もあります。
第2期は感染から3ヵ月経ってから起こります。初期症状は感染部位のみに起きていた症状が段々と全身に起こり始めます。頭痛、腎炎、関節炎、発熱、全身のだるさなどが起きます。
また、体の中心線にバラの花びらのような色の発疹が現れてきます。しばらくすると自然に消滅しますが、今度は赤茶色の丘疹が表れます。
その他にも丘疹が発生した後にその表面が白く乾いてはがれやすくなり乾癬となったり、丘疹が肛門や女性器、脇の下などの湿った部分にできた場合に扁平コンジローマとなったり、口腔内が乳白色に返信し硬くなる乳白斑や喉の扁桃炎である梅毒線アンギーナ、また、脱毛なども起こってきます。
第2期が3ヵ月から3年続きますが、自然に症状が治まってきます。その後は無症状が続き梅毒は治まります。
実際には現在は医療が進んでいるために、その後の晩期梅毒と呼ばれる第3期、第4期は先進国ではほとんど見られることはなくなりました。
梅毒の初期症状の特徴
名前は知っているけれども、あまりその病気になった人を聞いたことがない性感染症の一つには梅毒があげられます。
ペニシリンなどが開発される前は死の病気として恐れられていましたが、2000年以降も実は患者数が増加しているので、その初期症状には注意が必要となってきます。
梅毒に感染すると、潜伏期間はおよそ1週間から3週間と良いわれています。梅毒はトレポネーマというウイルスが体内に入ることで発症する病気で、このウイルスが人間の体内を血液の流れにのって回っていきます。
まず第1期で起こるのは、感染した患部にしこりができます。このしこりの大きさは、人差し指の先ほどの大きさで、中心部分が固く盛り上がっているのが特徴的です。
男性の場合は亀頭部や包皮、そして女性で多いのは大陰唇、小陰唇、子宮頸部などにできることが多くあります。また、太ももの付け根部分のリンパにも腫れが出てきます。
しかし、この段階では、どちらにも目立った痛みはなく、さらに放置しておければ、2週間から3週間で収まってしまうために気がつかない人も多くいます。
感染から3ヵ月ほどすると第2期を迎えます。この頃になると、発熱、頭痛、倦怠感、下痢、だるさなどの症状が出てくるために気がつく人も多くなってきます。
体の中心線の周辺にバラ疹と呼ばれる、赤いぶつぶつの斑点ができてきます。さらに白い斑点が粘膜に現れることもあります。さらに脱毛症であったり、第1期と同じようにリンパ節が腫れていきます。
実はこの第2期までが梅毒の中でも感染力がもっとも強いために、他の人に感染を広げてしまう時期なのです。
しかし、第2期の症状も3ヵ月から3年ほどで自然に消滅してしまい、第1期の終わりと同じように普通の状態に戻ってしまいます。
しかし、体内でのウイルスの増殖は加速しているので、どんどん感染を広げてしまう原因となってしまうのです。
第3期や第4期になると、心臓、神経、脳などに影響が出てくるために、治療無しでは生活ができなくなるほどなので、ほとんどの人が病院に行き治療を受けます。
さらに現代医療の進歩によってこの段階に進む人はほとんどいなくなりました。つまり、梅毒の初期症状が見られた第1期や第2期ですぐに気がつき、治療を受けることが梅毒の感染を防ぐこととなるでしょう。
女性の梅毒の症状
江戸時代などの遊郭では梅毒は死の病気として恐れられていましたが、ペニシリンの発明などによりその数は激減し、1990年代後半まではその数は減少の一途を辿っていました。
しかし、2000年に入るとその数がまた増加しています。江戸時代の遊郭ほどではないですが、女性の感染者も増えているので、注意が必要です。
女性の梅毒の症状として、まず感染は性交渉による原因がほとんどです。通常の性交渉からオーラルセックス、アナルセックスなどで感染します。感染してから約1週間から3週間で初期症状が発症します。
大陰唇や小陰唇、膣の内側に汚れた分泌物をかぶったしこりが発生します。しこりの大きさは大豆くらいの大きさで、中心部が固く盛り上がっています痛みはほとんどありません。
その後、太ももの付け根のリンパ節が腫れてきます。この症状は2週間から3週間で消えていきますが、病気その物は進行していきます。
第2期は感染から約3ヵ月後に訪れます。この頃には血液にのったウイルスが全身に広がっていき、頭痛や、関節痛、発熱、倦怠感などを伴い始めます。
そして、皮膚や粘膜にバラ疹と呼ばれるブツブツの斑点ができはじめます。このバラ疹は体の中心線部分を中心に全身にできていきます。
そして、リンパの腫れや脱毛などの症状が現れ始めます。これらの症状は3ヵ月から3年ほど継続しますが、また消滅をして行きます。
この第2期を越えると症状が出ない時期が続き、その後、第3期、第4期を迎えます。
この第3期や第4期ではすでに全身に梅毒のウイルスが回っており、脳、心臓、血管、脊髄などが侵され初め、全身の機能不全や痛みが出始めます。
第4期では、神経症状、麻痺、地方、歩行障害、大動脈瘤、大動脈弁閉塞不全などの死に至る症状が出てしまいます。
この第3期、第4期は現代の医学の進歩により殆ど見られることはなくなりましたが、患者数が増加しているのために必ずしも安全とは言えません。
女性の場合は第1期を迎えてしまった時点でも、不妊や流産、早産などの危険性も出てくるので、もしもこれらの症状があれば早急に病院を受診した方が良いでしょう。
梅毒のバラ疹とは
梅毒に感染すると症状が発生しますが、この症状が4期に別れています。これは、梅毒の原因のウイルスとなるトレポネーマウイルスが血液にのって全身に回るためです。
第1期では、性行為などで感染した梅毒が3週間ほどの潜伏期間を経て発症していきます。
梅毒の最初の症状と言われる豆粒ほどのしこりが、女性では大小陰唇や膣、また男性では亀頭や包皮部分にできます。
そして、太ももの付け根部分のリンパが痛みはありませんが腫れていきます。そして第2期に移行していきます。
第2期になるとトレポネーマウイルスが全身に広がっていき、本格的に体全体に症状が出始めます。大凡感染から3ヵ月後といわれています。この第2期でもっとも早く症状が出るのがバラ疹です。
このバラ疹は大きさとしては5㎜から20㎜程度の大きさで、色が赤色から暗い赤色をしています。
痒みなどの症状はなく、主に上半身、手のひらや足の裏、顔などに体の中心線を軸に左右対称に出るのが特徴的です。
このバラ疹はしばらくすると消えてしまいます。そのために、痒みなどの症状もないので、梅毒に感染していると気が着かない人がほとんどです。
バラ疹が消えてから数週間すると、丘疹性梅毒疹が表れます。もりあがったブツブツで、大きさが5ミリから10ミリほどで固く、赤い色をしているのが特徴です。
この丘疹性梅毒疹もバラ疹と同じく、顔や首、胸などの上半身を中心に、手のひらや足の裏にできるのも特徴的です。
そして、この丘疹性梅毒疹が乾燥してはがれた状態を乾癬となり、丘疹性梅毒疹が肛門や外陰部、脇の下などの粘膜や皮膚が向き合っている場所にできると扁平コンジローマとなります。
そして、梅毒性アンギーナ、梅毒性脱毛、膿疱性梅毒疹を引き起こしていきます。
梅毒は気がつく症状が出てくるのが第2期の後半などからであります。第1期も第2期のバラ疹などでも皮膚の変化がありますが、見えにくいこともあり、また痛みや痒みがなく気がつく人は多くありません。
しかし、この第1期、第2期の頃がもっともウイルスの増殖が激しく、感染を広げてしまう時期でもあるのです。
もしも梅毒の特徴であるしこりやバラ疹などの皮膚症状が出た場合にはすぐに病院で検査を受けなければなりません。
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