梅毒の治療にはペニシリン等の抗生物質が用いられることが一般的です。
これは、梅毒のウイルスである、トレポネーマが抗生物質に大変弱く、梅毒症状の時期によりますが、適切な治療を行うことで完治させることができるのです。
そのために、死の病気として昔は恐れられていましたが、ペニシリンの開発により、適切な治療をすることで治すことができるようになりました。
抗生物質の投与期間はその症状によりかわってきますが、目安としては、第1期の場合は2週間から4週間が必要となり、第2期となると、4週間から8週間が必要となります。
現代の日本では梅毒が見つかる場合はこの第1期と第2期のいずれかである場合が多く、この期間に見つかればしっかりと治すことができます。
また第3期になっている場合でも8週間から14週間の服薬で治療を行えます。
しかし、第3期や第4期などに入ってしまうと全身に梅毒トレポネーマウイルスが蔓延している状態で、他の病気を併発している場合も多くあるので、治療が困難になってきてしまいます。
早めの検査と早めの治療が梅毒完治への近道となります。
梅毒の治療で使用されるペニシリン系の抗生物質では、サワシリン、エリスロマイシン、パセトシンなどの薬があります。
ペニシリン系の抗生物質は、梅毒ウイルスの細胞壁を破壊して、細胞その物を死滅させる効果があります。
しかし、中にはペニシリンに対してアレルギーが有り使用ができない人もいます。
ペニシリンにアレルギーのある人にはキタサマイシン、エリスロマイシンなどはマクロライド系の抗生物質や、テトラサイクリン、ミノマイシン、ビブラマイシンなどのテトラサイクリン系の抗生物質を使用して行きます。
どちらの抗生物質もペニシリン系の抗生物質とは違い、ウイルスを死滅させるのではなく、細菌の増殖を抑え、静菌作用があります。
梅毒に感染した場合は、どの薬が自分に適しているのか、また症状がどの期まで進んでいるのかによって、内服期間も違ってきます。
医師に相談をすることはもちろん、少しでも梅毒感染の可能性に気がついた場合は、早めの検査と治療を行うことが非常に重要です。
一般的には、外来で処方された抗菌薬を内服することで治療します。内服期間等は病期により異なり、医師が判断します。病変の部位によっては入院のうえ、点滴で抗菌薬の治療を行うこともあります。医師が治療を終了とするまでは、処方された薬は確実に飲みましょう。性交渉等の感染拡大につながる行為は、医師が安全と判断するまではひかえましょう。また、周囲で感染の可能性がある方(パートナー等)と一緒に検査を行い、必要に応じて、一緒に治療を行うことが重要です。
引用元:梅毒治療‐厚生労働省
梅毒の治療のガイドライン
インターネットの検索などで、梅毒を検索すると治療方法が多く見つかります。しかしながら、どの治療法、また検査方法にも一般的な指針があり、それを定めたものがガイドラインであると言われています。
梅毒は感染症の中でも、性感染症の一種であることから、その治療方法なども、日本性感染症学会から発刊されている「日本性感染症学会誌 性感染症 診断・治療 ガイドライン」に掲載がされています。
このガイドラインに掲載されている梅毒のページには、治療や治癒判定、パートナーの追跡など大きく網羅しています。
症状・診断のページでは各期ごとの梅毒の 症状、また、性行為による感染だけでなく、母子感染による先天梅毒について、また、HIVとの併発している梅毒についてなども記載されており、幅広く梅毒について知ることができます。
さらには、専門の医師がコメンテーターとなり、留意点や検査方法に関してのポイントなどを指摘しコメントとして掲載もされています。
また重要案治療の部分に関しては、ペニシリンを第一選択薬とすること、その投与薬であるバイシリンに関しての特徴、その用法、または別の薬の用法なども記載されています。
その他には、梅毒の場合は第1期、第2期、第3期、第4期での投薬期間が違ってくるために、各期における投薬の必要期間なども収載されています。
その他、梅毒の治療に関しては知っておくべき必要がある項目として、梅毒治療の為に飲んだ薬によって、ウイルスが急激に死滅することで起こる高熱や寒気、頭痛、筋肉痛などの症状がでるヘルクスハイマー反応にも触れています。
この「日本性感染症学会誌 性感染症 診断・治療 ガイドライン」は、最新巻として2015年7月現在では最新巻として、2011年度版が発刊されております。
この中には梅毒だけでなく、尿道炎や精巣上体炎、直腸炎潰瘍性病変などの症状とその鑑別診断から、疾患別の診断と治療、また思春期の性感染症や発生動向調査などが掲載されています。
梅毒の治療効果判定とは
梅毒の検査には2種類有り、その2種類を組み合わせて使うことで、梅毒に感染しているのか、また、梅毒に感染したことがあるのか、そして、梅毒の治療の効果を判定していくことにも使われています。
梅毒の検査の一つは、梅毒脂質抗体検査があります。この梅毒脂質抗体検査においての治療効果判定では、抗体の絶対値ではなく、抗体価が減少傾向にあるかどうかをみることが重要となってきます。
もしも、梅毒に感染しているとわかった場合には、治療を進めながら、数ヶ月おきに検査をしながら、治療を進めていきます。
そして、定量値が8倍以下に低下したことを認めて、はじめて完治と認めることができます。
逆に治療を続けているにもかかわらず、16倍以上を示すときには、治療が不十分であるか、再感染、そして、HIVに感染している可能性も考えなければなりません。
もう一つの梅毒トロポニン抗体検査は梅毒脂質抗体検査に比べると検査する時期が比較的遅くなってきます。また、梅毒が完治したとしても陽性を示すことがあります。
そのために、梅毒脂質抗体検査と併せて検査に用いる場合には確定診断として、また定量検査では治療効果判定の補助的な診断法として用いられています。
梅毒の治療のサワシリン
梅毒の治療には基本的にはペニシリンが用いられます。これは、梅毒がペニシリンに対しての耐性を持っていないためです。
そのために、梅毒の治療に際しては、ペニシリンが第一選択薬として用いられます。ペニシリン系の抗生物質として有名な薬に、サワシリンがあります。
このサワシリンは、アモキシシリンを配合した薬で、細菌を殺菌してくれる効果があるために、細菌による感染症治療などに用いられることがあります。
大腸菌や、扁桃炎、気管支炎、中耳炎などの治療にも使用をされています。
梅毒に感染した場合、症状が出る4つの異なる期があります。第1期は感染から3週間から4週間すると表れ、感染した皮膚や粘膜に固く赤いしこりができてます。
この頃に治療が開始されて場、サワシリンは約2週間から4週間服薬することで完治させることができます。
第2期の場合は、血流にのって全身にウイルスが回っている時期で、サワシリンによる治療では4週間から8週間の投薬が必要となります。
日本においては、梅毒が発見される場合にはほとんどこの1期か2期となり、また完治させることができるので、第3期や第4期を見ることはあまりありません。
しかし、第3期や第4期となると、8週間から12週間以上のサワシリン投薬が必要になります。
ただし、第4期になると命の危険性もあるために、他の病気を併発していることも多く、治療には非常に注意が必要となってきます。
用法としては、1回500gのサワシリンを1日3回服用します。1日に1500gのサワシリンを、感染した梅毒の症状が出ている期にあわせて服用をしていきます。
ただし、サワシリンを服用することで副作用を起こすこともあります。主な副作用としては、腸内の細菌バランスを崩してしまう際に起こる下痢などです。
軟便などでは、あまり問題はありませんが血便が見られた場合には医師に相談をする必要があります。
もしもサワシリンを初めとするペニシリン系の薬にアレルギーを起こす場合には、エリスロマイシンやミノサイクリン、テトラサイクリンなどの薬を用いて治療を続けていきます。
梅毒治療の治療薬
病院で梅毒の検査を受けて、陽性となった場合にはすぐに治療が必要となります。
基本的には第1期の場合には4週間、第2期となっている場合には4週間~8週間、そしてあまり見られなくなっていますが、第3期になっている場合には8週間~12週間の治療が必要となってきます。
梅毒の治療に使用されるのは基本的にはペニシリン系の抗生物質を使用します。その中で用いられるのは、アモキシシリン、アンピシリンなどがあります。
アモキシシリンは連鎖球菌、肺炎球菌、腸球菌、大腸菌、変形菌などに効果のある抗生物質で、性感染症だけでなく、呼吸器感染症、皮膚感染症、耳鼻科感染症、尿路感染症などの治療にも用いられます。
用法としては250mgの錠剤を1日3~4回服用します。梅毒の治療にはもっとも一般的に使われる薬ですが、昔から細菌に対する薬として試用をされてきたために、耐性菌が懸念され、そして、発疹、発熱、かゆみなどの強いアレルギー症状を起こすことがあります。
副作用が表れた場合には、使用を中止して医師に相談をしましょう。
そしてアンピシリンもまた古くから細菌に対しての治療に用いられてきた、ペニシリン系の抗生物質です。用法は1日に250mgまたは500mgを1日に4回~6回服用します。
アモキシシリン同様に強いアレルギー症状が出る場合があるので、副作用などには注意が必要です。
梅毒にはペニシリンが使用されてきましたが、現在ではペニシリン系以外の抗生物質も用いられています。
キタサマイシン、エリスロマイシンなどのマクロライド系の抗生物質やテトラサイクリン、ミノマイシン、ビブラマイシンなどのテトラサイクリン系の抗生物質などが有り、こられの抗生物質は細菌の増殖を抑え静菌作用があります。
ペニシリンにアレルギー反応が出た場合などにも用いられています。
ペニシリンを初め、これらの梅毒に対する薬を使用し始めると、数時間から数日の間に、発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛などが出る場合があります。
しかし、これは薬によって梅毒のウイルスが急激に死滅しているためのヘルクスハイマー反応なので、治療は辞めずに継続していきましょう。
梅毒の完治までの治療期間
江戸時代などでは死の病気と恐れられた梅毒ですが、1940年代にペニシリンが普及して以来、治癒をすることができ、その患者数は劇的に減少していきました。
そして、現在では発見する時には症状としても梅毒の1期もしくは2期で、ほとんど命を落とすことなく、早期の治癒ができています。
梅毒の治療は男性の場合、泌尿器科、性病科、皮膚科、そして女性の場合は皮膚科、性病科、産婦人科などで治療が可能となっています。
また検査のみであれば、各地方の保健所などで無料で行っているところがあります。
梅毒の治療に関しては、潜伏期間が約3週間から4週間となります。その後、第1期の梅毒の症状が現れ始めます。
この症状は、梅毒に感染した皮膚や粘膜部分にしこりができ、潰瘍となり、性器周辺にに感染している場合には太もものリンパ節が腫れます。
その後、感染から3ヵ月後、つまり第1期の症状発症から4週間から10週間後くらいに第2期の症状が出始めます。
第2期では全身に梅毒のウイルスが回っており、赤い斑点、バラ疹、丘疹、乾癬、扁平コンジローマなどの症状がでます。
この第1期と第2期での治療は一般的にペニシリン系の抗生物質を投与して行きます。もしもペニシリン系の抗生物質があわない場合にはテトラサイクリン系の抗生物質を使用します。
早期発見であればあるほど、早く治り、第1期では投与期間は2週間から4週間、そして第4期では4週間から8週間、薬を使用し続けることで完治します。
第3期、第4期となると完治しないわけではありませんが、できるだけ第3期までに発見し治療を受けた方が良いです。これは第4期となると最悪の場合死んでしまう可能性があるからです。
第3期にさしかかると異常を感じてすぐに医療機関にかかるために、現在ではあまり第3期を超えて初めて治療を受ける人はいないそうです。
ペニシリンの普及以降感染を激減させた梅毒ですが、実は2000年以降、日本だけではなく世界中で感染者数を増やしているそうです。
完治のできる病気になったとは言え、梅毒に感染することで他のHIVを初めとするその他の性感染症などにかかりやすくなるために、早期検査と早期治療をしていかなければなりません。
梅毒治療の費用
梅毒の治療は現在ではほとんどが第1期か第2期に治療をするそうです。
これは梅毒の発見が早くに行えることと、治療に関しても梅毒を完治させることのできる、ペニシリン系の薬やキタサマイシン、エリスロマイシンなどのマクロライド系の抗生物質、そしてテトラサイクリン、ミノマイシン、ビブラマイシンなどのテトラサイクリン系の抗生物質が開発されたことが理由であると言われています。
これらの治療を行うには基本的に2つの方法があり、一つ目は病院などの医療機関で治療を受ける方法と、もう一つは自分で薬をインターネットなどで購入する方法です。
病院での治療に際しては、検査代や診察代や薬代などもかかってきます。病院にもよりますが、その費用として、検査代で10000円かかると言われています。
これは保険が適用しての金額なので、もしも保険を使用しない場合には、30000万円を超えると考えて良いでしょう。
そして、診察代に関しては、おおよそ3000円から5000円かかるといわれています。これも保険適用がされている場合なので、もしも保険適用外であれば10000円から15000円ほどになります。
薬代に関しては梅毒の進行している状況により異なります。これは第1期であれば4週間の治療が必要で、第2期になれば4週間から8週間の治療が必要となるためです。
第3期になると、ほとんどありませんが、さらに4週間以上の治療が必要となります。主に治療薬としてもちいられるペニシリン系の抗菌薬は1週間分で保険適用で3000円ほどとなります。
これが、第1期であれば4週間分なので単純計算で12000円となります。インターネットで購入した場合にはもう少し安くなります。
梅毒の場合は、基本的には保険は適用可能となっています。ただしこれは梅毒に感染していおり、さらに症状がでていることが条件です。
そのために、心配だから念のために検査や診察を受けたという場合には保険は適用せず、全額自己負担となります。
検査の結果、梅毒に感染しているとわかれば、その分を払い戻ししてくれる病院もあるようです。
また病院によっては梅毒だけの検査だけでなく、HIVの検査も一緒に行うことがあります。これは、梅毒に感染している場合はHIVにも重複感染していることが多くあるためです。
もしも検査を受ける場合には、これらの細かいことまで確認する必要があるでしょう。
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