梅毒の感染経路は3つしかないといわれていますが、その梅毒が2000年までは減少傾向にあったのですが、2000年以降はまた増加傾向にあるそうです。
梅毒の感染を広めている原因のもっとも多い感染経路は性交渉によるものです。
梅毒に感染している感染者の体液に含まれるトレポネーマという梅毒の原因であるウイルスが皮膚、粘膜にある傷口から侵入します。
このトレポネーマの感染力は非常に強く、性交渉をした場合の感染率は30%から40%もあるといわれています。
このように感染力が非常に強いので、通常の性交渉だけではなく、オーラルセックスによっって口腔内にある小さな傷からも感染してしまうのです。
現在もっとも感染者を増やしている原因は同性愛男性間でのアナルセックスによるものです。
アナルセックスは通常よりも傷がきつやすく、またコンドームなどの予防をしないことが多く感染をより広めている原因になっています。
実際に梅毒患者の内の40%が男性間での性交渉が原因であるそうです。梅毒に感染するとHIVにも感染しやすくなってしまうので、注意をしなければなりません。
性交渉以外の感染原因は母子感染があります。母子感染が起こる原因は、梅毒に感染したまま妊娠したり、妊娠の初期に梅毒に感染し治療を受けずに出産してしまう場合です。
この場合の感染確率は40%程度と言われています。もう一つの感染経路としては血液感染があります。
梅毒に感染してしまっている血液を輸血などによって体内に取り込むと感染しますが、現在の治日本の療精度ではほぼ100%血液感染での梅毒はありません。
性交渉による梅毒感染がもっとも多いいのですが、梅毒の第1期、第2期は特に感染力が強くなるタイミングです。
さらに第1期の症状の発症時点では痛みなどはほとんどないために、感染していることにわからずに、性交渉をして感染を広げてしまいます。
ただし、梅毒のウイルス自体は決して強いわけではないので、温度の変化や乾燥、エタノール、石けんなど自宅でも簡単に予防が可能なのです。
また性交渉の場合はコンドームなどの使用によっても防げる確率は上がるために、しっかりとした予防などが必要となります。
梅毒の原因菌、トレポネーマ菌
トレポネーマ菌という名前だけでは、どのような種類の菌かわからない人も多いかも知れませんが、梅毒の原因菌であると言えばわかる人も多くいると思います。
梅毒の感染経路のほとんどが性行為によるもので、血液や体液などに含まれるトレポネーマ菌が皮膚や粘膜などに傷があれば、そこから感染をします。
人の目には見えない傷口は人間の体に多くありますが、トレポネーマ菌は非常に小さいためにそうした傷口からの感染が可能となっています。
トレポネーマ菌の感染力は小さな傷口からでも入り込むように非常に強く、1度の性行為で30%から40%の確率で感染をしてしまいます。
しかしトレポネーマ菌は菌自体の強さはあまりなく、乾燥や39度以上の温度にさらされること、また石けんやエタノール、抗生物質などでも死滅をしてしまいます。
それだけに、現在では死者を出すことはほとんどなく、第3期、また第4期の症状まで進むこともなくなりました。
トレポネーマ菌はらせん菌の中でも回転数が多く、スピロヘータに分類されています。
スピロヘータに分類されている細菌は人工培養できないものが多くあり、梅毒のトレポネーマも人工培養ができない細菌の一つです。
そのために、梅毒の検査もトレポネーマを培養する検査ではなく、トレポネーマに対する抗体を調べる検査と、リン脂質抗体を調べる検査の2つを組み合わせて行われています。
性行為での感染が主な感染経路ではありますが、このトレポネーマ菌は母子感染でも感染します。妊娠中に梅毒に感染するか、梅毒に感染したまま妊娠してしまう場合などがありますが、多くの場合が流産か死産となります。
もしも産まれてきても既に第1期、第2期の症状を胎内で経過しているので、産まれてきてから第3期を迎えることになります。
梅毒は1960年代に日本では流行をし多くの者を出すほどの死の病気でした。しかし、その後は医療の発展などにより患者数が激減していきましたが、2000年に入ってその患者数が微増しているそうです。
治療方法が確立されているので死の病気ではなくなりましたが、感染の疑いがある場合には早めの検査と治療が必要となります。
性交渉以外での梅毒の感染経路
2015年には梅毒の患者数が、1995年以降でもっとも多くなっていることがわかりました。その感染経路は性交渉によるものがもっとも多いことは現在も、昔もかわっていません。
ただし、現在では、同性男性間同士の性交渉による感染が増えていることが特徴であるといえます。
ただし、梅毒の感染経路は、このような性交渉だけではなく、それ以外の原因があることもわかっています。
梅毒に感染する経路としては母子感染もあります。母子感染の場合は、梅毒に感染したまま妊娠してしまったり、妊娠初期に梅毒に感染してしまい、そのまま出産してしまうケースです。
この場合、出産時に赤ちゃんが死亡してしまったり、早産や流産となることがあり、梅毒に感染する確率は約40%と言われいわれています。
もしも、妊娠の後期に梅毒に感染してしまい、そのまま出産となると、赤ちゃんは先天梅毒児となり、乳児、幼児期になったときに梅毒の第2期の症状がでてきてしまい、その後様々な症状が出てしまうこともわかっています。
2004年から2007年の梅毒に感染した2452例のうちで母子感染は31例ありました。
これだけ多くの数の母子感染があるということがわかっているので、妊娠した場合には必ず定期検診を受け、妊娠時には梅毒だけでなく、その他の性感染症にも気をつけなければなりません。
以前は、血液感染なども梅毒に感染する一つの原因となっていましたが現在の医療環境では梅毒に感染した人の血液を輸血されるようなことはないので、100%ないと言っても良いかも知れません。
しかし、医療現場では、針刺し事故などがあり、この場合には感染してしまう可能性があります。
梅毒とわかっていてもこのような事故は起きてしまうので、医療現場での教育や治療行為の徹底などが求められています。
医療の現場では、針刺し事故がありますが、介護の現場では、入浴の際に感染してしまうことがあります。
もともと梅毒のウイルスは温度の変化や乾燥などに弱いのですが、お風呂で介護中に梅毒患者の体液や血液などに接触してしまい感染してしまうケースも実はあります。
2004年から2007年の2452例の内、針刺しは4例、介護時1例とケース自体は報告があります。
このように急増している梅毒に感染する危険性は性交渉だけでなく、どこにでもあると考えても良いのかも知れません。
男性の方が梅毒にかかりやすい原因
2015年に報告された梅毒の患者数が2014年の患者数を85人も上回り399人になっており、1995年以降もっとも多い人数となったことが報告されました。
東京都内だけで見ると2014年に比べて65人の増加となり、3月23日から29日の週にあった報告の21人の内、19人が性的接触による原因で、さらに9人が同性間での感染であったことがわかりました。
2013年の報告によれば梅毒に新たに感染した人の男女別の割合は男性が約90%と圧倒的に多くなっています。年齢では30歳代が35%、20歳代が25%、40歳代が20%となっています。
こうした結果からも男性が梅毒に感染しているケースが非常に多いことがわかります。
なぜ男性が梅毒に感染しやすいかは、都内での報告にあるとおり、性交渉によるもの、特に男性同士の性交渉が主な原因となっています。
これは、同性間でのカップルが認め始められたことにより、その数が増加している事が背景にあります。
その関係性の中で、アナルセックスやオーラルセックスなどが行われていますが、これがコンドームなどなしに行う人が多いために、感染を拡大していると言われています。
特にアナルセックスなどは通常の性交渉よりも、粘膜や皮膚に傷が付きやすく、梅毒だけでなく、その他の感染症などもうつしてしまう可能性が高くなってしまうのです。
梅毒の発症にはステージがあります。第1期、第2期、そして現在の医療レベルではあまり見られなくなった、第3期と第4期です。
第3期と第4期は完全に重い症状が出てくるので梅毒とわかりますが、第1期と第2期、特に第1期は痛みなどの症状がでにくいので性交渉などをしてしまいますが、その感染力は非常に強いので簡単に相手に移してしまうのです。
2013年の感染者の中でのステージは第2期が44%、1期が14%、そしていつの間にか感染し自然治癒してしまっている、無症候梅毒が39%となっています。
つまり、梅毒の感染するのはやはり第1期もしくは第2期が多く、全体の約60%を締めていることがわかります。
梅毒の危険には男性の方が多く晒されていることがわかっていますが、中々表に出にくい期間もあるので、当然ですが女性も感染には十分な注意が必要です。
梅毒の原因,スピロヘータ科の感染経路
梅毒は「トレポネーマ」という、スピロヘータ科の細菌が原因で起こります。
スピロヘータはグラム陰性の真正細菌で大きさは6μから20μと非常に小さいのですが、らせん状の形をしており非常に激しい回転や屈曲運動をしています。
これはこの細菌を覆っている鞭毛の働きによるものと細胞壁が薄くできていることが原因と言われています。
このように激しく回転をしたり屈曲運動をする細菌なので感染力も非常に強く梅毒に感染している人と性行為をした場合の感染率は30%から40%と非常に高いのが特徴的です。
梅毒の場合の感染経路は通常の性行為、オーラルセックス、アナルセックスなどで感染しますが、人の目には見えないほどの傷などがある、皮膚や粘膜から感染していきます。
しかしながら、このトレポネーマという細菌自体は強くなく、温度変化や乾燥、また石けん、エタノールなどでも死滅をします。
そのために、現在使われている抗生物質などを使用すると、すぐに治療の効果は表れます。
梅毒トレポネーマはスピロヘータ科の細菌ですが、他にもボレリア属やレプトスピラ属などがあります。回帰熱の原因ともなるスピロヘータ科のボレリア属にはボレリア・レカレンチスがあります。
このボレリア・レカレンチスの感染経路としてはシラミやダニを感染経路とし、症状としては発熱、筋肉痛、頭痛、脾腫などが表れます。
名前の通りこれらの症状が繰り返し起こることから回帰熱と呼ばれています。ただし日本ではここ数十年間感染者の報告はありません。
また、ライム病のでもスピロヘータ科のウイルスが原因となっており、スピロヘータ科ボレリア属のボレリア・ブルグドルフェリが原因と言われています。
ライム病は日本でも数百件の報告が有り、その感染経路は小鳥やネズミなどの保菌動物に寄生していたマダニによって人に感染します。
症状としては遊走性紅斑が出現し、発熱、筋肉痛、倦怠感などの症状が現れます。梅毒を引き起こすのはスピロヘータ科の中でもトレポネーマだけですが、その他の細菌も他に症状を引き起こすことがあるので、心配なことがあれば検査を受けましょう。
梅毒記事一覧