トリコモナス症は性感染症であり、基本的な感染経路は性交渉です。日本国内の5%から10%の女性がトリコモナスに感染しているといわれるのに対して、男性の割合は僅か1%から2%といわれています。
これは、女性に比べて男性はトリコモナスに感染したとしても症状が軽かたり、感染してもトリコモナスを引き起こすトリコモナス原虫が排尿時に排出されてしまうことが原因といわれています。
感染者が日本人男性の内の1%から2%であり、さらにその中でも症状が出るのが10%程度といわれています。
そのために、トリコモナスに感染していると自覚症状がなく、病院に行って検査や治療を受けることがない人もいるのです。
現在ではトリコモナス感染者は減少しているといわれていますが、中々減らないのには男性に理由があるといわれています。
これは海外に仕事や旅行などに行ったときに、特に先進諸国以外の国に行って性サービスを受ける、または性交渉をしてしまうからです。
日本以外の国々ではトリコモナスは今なお増加を続ける性感染症なので、海外で感染し、日本国内で感染を広げてしまっているのです。
男性はこうした理由がある一方で、女性の場合は、男性に比べ症状もでやすい病気ではあります。
しかし、女性の場合は抗生物質などを使用して完治したと思っても、膣内壁などに残存していたトリコモナス原虫が、生理の時などの経血によって再び増殖してしまうことがあるのです。
トリコモナス原虫は水分のある場所で生きるので、血液の中で再び増殖して、症状を引き起こしてしまうことがあるのです。
トリコモナスは女性に多く見られる性感染症なので、妊娠や出産などとも無関係とは言えません。もしも、妊婦がトリコモナスに感染している場合は、早産との関連を見逃すことはできません。
トリコモナスと早産は関連が認められており、妊娠して12週以降で感染した場合には、ニトロイミダゾール系の膣剤を使用しての治療が必要となります。
トリコモナスが母子感染することはほとんどないといわれていますが、妊婦がトリコモナスに感染した事による影響は少なからずあるようです。
トリコモナスの潜伏期間に感染原因がある
性感染症の中でもトリコモナス症は他の性感染症とは変わった部分があります。
それは性交渉だけが感染経路となるわけでなく、多くの人が入る温泉やプール、またタオルやトイレの便座なども感染経路になってしまうということです。
これはトリコモナス症の原因であるトリコモナス原虫が水分のある場所では長く生きられるためであり、そのために水分の多い場所に生息しているのです。
このトリコモナス原虫は人間の体内に感染すると、男性の場合は尿道や膀胱、前立腺などにとどまります。女性の場合には、膣内や子宮頸部、膀胱などにとどまり、潜伏期間の後に症状を発症させます。
これらの潜伏場所はいずれも水分の多くある場所であり、特にに女性の場合は、性器の構造上、膣内などに水分を多く含んでいるので、症状も出やすく、感染もしやすくなっています。
水分があれば長く生き続け、そして増殖を続けることがトリコモナスの感染を広げていく原因にもなりますが、その他にもトリコモナスは感染しやすい原因があります。
それは、潜伏期間は10日ほどと他の性感染症と比較しても特別早くも遅くもないのですが、もっとも注意しなければならないのは、その症状が出にくいことであります。
特に男性の場合は尿道や膀胱にトリコモナス原虫がいるので、潜伏期間の間に排尿と一緒に外に出てしまう場合があり、その原虫の数が減ってしまいます。
そうするとさらに症状が出にくくなり、感染していることにまったく気がつきません。
女性の場合も症状が軽い場合があり、おりもの異常や性交渉時の痛みなどがよくある人はトリコモナスに感染していることに気がつきません。
そのために、感染した状態で性交渉をしてしまい、さらにトリコモナス感染を広げてしまう原因になっているのです。
このように潜伏期間中と発症時の区別が付かないことがあるので、特定のパートナーとしか性交渉をしなくても感染をさせ合ってしまうピンポン感染がトリコモナスではよく起こります。
トリコモナスの特徴を踏まえた上で、治療は慎重にしていかなければなりません。
トリコモナス膣炎の感染経路は?
トリコモナス膣炎に感染する原因は、大きく分けて2つあるといわれています。一つ目は主な感染経路である、性交渉によるものです。
もう一つは、多くの人が利用するお風呂、温泉、プール、トイレなどから感染するといわれています。多くの人が利用するプールや温泉、大衆浴場などはトリコモナス原虫の特徴に起因しています。
トリコモナス原虫は水分があることで長く生きることができるために、水分がある場所に存在します。
そのために、多くの人が利用する、温泉やプールなどではトリコモナス原虫がいることがあります。
しかしながら、温泉やお風呂などは高温のために、トリコモナス原虫が死んでしまうといわれています。
トイレなども公衆トイレなどであれば、しっかりとした消毒がされていないことも多く、水分もあるために、感染する原因の一つといわれています。
トリコモナスの感染経路のもっとも多い原因は性交渉です。これはコンドームなどを使用していればある程度は防げるといわれていますが、性器以外にトリコモナスが存在している場合には感染することもあります。
また、トリコモナスは非常に感染力が強いために、1度の性交渉で約70%の確率で感染するといわれています。
そのために、もしもパートナーが感染している場合には、2人で検査と治療を行い、完治してからでなければ、ピンポン感染を起こしてしまう可能性が非常に高いのです。
上記の理由以外の少数ある感染経路としては、タオルからの感染もあげられます。トリコモナスに感染している人が使用したタオルに、そのままトリコモナス原虫がくっついてしまい、次に使用する人に感染するというものです。
また母子感染なども希にあるといわれていますが、現在ではほとんど確認されることはないそうです。
トリコモナス原虫と感染経路
トリコモナス症を引き起こす原因はトリコモナス原虫の感染です。トリコモナス原虫は鞭毛虫類に属し、形状は洋梨状で、3から5本くらいの鞭毛と波動膜によって活動をします。
このトリコモナスの大きさは10μから40μほどの大きさで、人間の白血球より大きく、女性の膣にある上皮細胞よりも小さい原虫です。
そのために、トリコモナスの検査の際には顕微鏡を使わなければ見ることはできません。
この小さなトリコモナス原虫が人間の体内で生息する場所は、主に男性の場合は、尿道や膀胱、前立腺などとなっており、女性の場合は、膣内、子宮頸管や膀胱にも生息しています。
男性よりも女性の性器の方が外部に出ていない構造上、水分を多く含んでいるので、トリコモナス原虫にとっては増幅しやすい環境なのです。
トリコモナス原虫が人間に感染する感染経路は、主に性交渉によって感染します。
性交渉による感染率は非常に高く、トリコモナスに感染している女性とコンドームなどなしで性交渉をした場合は約70%の確率で感染してしまうほど感染率は高いのです。
しかしながら、トリコモナスは性交渉だけでなく、温泉や銭湯、プール、また、公衆トイレ、バスタオルからも感染してしまいます。
これは、トリコモナス原虫が水分があるところを好み、さらに水分があれば生きていき、感染を広めてしまう病気という理由があります。
性交渉以外のトリコモナスの感染経路
トリコモナスが性交渉以外で感染する経路は、お風呂や温泉、プールなどの多くの人が使用する水場です。トリコモナスは元々トリコモナス原虫という原虫が感染することで発症します。
しかし、このトリコモナス原虫は人間の白血球ほどの大きさしかないために当然肉眼では見つけることはできません。
そしてトリコモナス原虫は水分がある場所であれば繁殖することができ、生きていけるために、水分があるところを好みます。
そのために、多くの人が利用するプールや温泉などではしっかりとした消毒などがなされていない場合、感染してしまうこともあるのです。
また、プールや温泉以外で感染してしまう経路は、タオルや椅子、トイレのの便座などからも感染をしてしまいます。
これも温泉やプールと同様で、水分を多く含んでいるタオルなどにはトリコモナスがいる場合があります。
もしも、トリコモナスに感染している人が使用したタオルやトイレの便座を使用する場合には気をつけなければなりません。
その他にも妊婦がトリコモナスに感染している場合、母子感染することは希ではありますが、トリコモナスと早産の関連は認められています。
トリコモナスが垂直感染する危険性は低いですが、トリコモナスに感染している母親の膣内環境が悪化している影響で、他の感染症などを引き起こしてしまう危険性もあるといわれています。
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