主に女性の多くが発症することのあるカンジダ症ですが、当然のことながら男性でも発症します。女性器は体内にあるのに比べて、男性は体の外側にあり、菌の繁殖が女性に比べてしにくい構造になっています。
このカンジダは発症すると、男性では亀頭がはれたり、かゆみがでたり、白いカスがでたりします。一方で女性は、白い酒粕状のおりものがでたり、外陰部や膣内のかゆみや痛みがでることがあります。
さて、こうしたカンジダはどのようにしてなるのでしょうか。よく勘違いされるのが、性感染症であり性行時にのみ感染して広がっていくのではないかと思われていることです。
実はカンジダは性感染症ではないという説もあり、誰もが持っているカビという真菌の増殖によって起こる症状であると言われています。
そのために、性行為の経験がない人でもストレスや疲れて免疫が落ちているときなどに発症することがあります。
体調不良やストレスなどの理由によって発症するのがもっとも多い原因ではありますが、性行為によってもうつります。
カンジダの特徴としては、男性から女性へ感染するケースが非常に少なく、ほとんどの場合が女性から男性に感染するといわれています。
こうした感染を防ぐために、コンドームなどを利用することや、体調が悪いときには性行は避けること、また少しでも異常を感じる場合には性行をしないなどの対策が必要となります。
また、感染経路として性行だけではありません。病院内や家庭内水平感染、また産道感染があります。
産道感染は、女性が妊娠し出産するときに、カンジダに感染した状態の場合、産まれてくる子どもが出産時に、カンジダの感染を起こし、産まれてくる子どもの口腔内にカンジダが感染してしまうことです。
もしも妊娠時にカンジダの疑いがある場合は、一度検査をしておかなければなりません。
このようにいくつかの感染方法によってカンジダはうつるのですが、一度治療を終了したからといって終わりではありません。
もしも、パートナーにうつしてしまった可能性があれば、一緒に治療をしなければなりませんし、また再発しやすい症状でもあるので、日頃からの体調管理などに気をつけておくことが大事なのです。
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カンジダ症の原因は?
カンジダ症になるにはどのような原因があるのでしょうか。基本的に、カンジダ症は男性、女性共にかかる病気で、人間の皮膚や膣内に存在する真菌が異常増幅すると発症します。
ストレスや疲れで免疫力の低下が著しいときに起きると言われています。
普段であれば体内のカンジダの増殖は抑えられているのですが、風邪や疲労、または睡眠不足、ストレス過多など体の免疫力の低下が原因となります。
その他に、膠原病や喘息などで使用しているステロイドホルモン剤などを利用し、免疫機能を抑制している場合もカンジダ症となることがあるます。
その他の原因としては、膣の自浄作用の低下があげられます。カンジダ症は主に女性がかかる症状で、日本人の5人に1人は症状が出ると言われています。
膣内では外部から菌が侵入したり、悪玉菌が増殖しすぎないようにてこないように自浄作用が働いています。この自浄作用が低下してしまうとカンジダ菌が増殖して、膣カンジダを発症してしまうのです。
実はどこの家庭にでもあるウォシュレットを使用しすぎていたり、入浴で綺麗に洗いすぎていたりすると、自浄作用に必要な善玉菌も洗い流してしまい、カンジダ症に罹りやすくなると言われています。
さらに生理中などホルモンバランスが崩れている時にも自浄作用が低下することがあり、注意が必要です。
このように多くの場合は自らの体調不良などによりカンジダ症が発症してしまいますが、その他にも性行為などで感染することもあります。
ほとんどが女性から男性にうつるのですが、もし少しでもカンジダ症の疑いがある場合は、性行を控え病院に受診するべきであります。
カンジダは男性から女性にも移る?
カンジダは基本的には女性がかかる病気と考えて良いでしょう。しかしながら、男性がかかる可能性はゼロではなく、男性から女性に感染する可能性もあります。
男性がカンジダを発症していて、その男性と性行為をしてもその女性が感染することは希と言って良いほどです。
たまたまその女性が体力が低下して、体内の免疫力が非常に下がっていて、さらに清潔にしていなければ移ってしまうかも知れません。
それほど男性から女性にカンジダが感染する可能性は低いと言われています。
逆にカンジダ膣炎に発症している女性と性行為をしたとしても、実はその男性が感染する確率はあまり高くはありません。
カンジダ膣炎を発症している女性と性行為をした後は、かなりの確率で男性器に女性のおりものがつきます。
カンジダ特有の白い酒粕状のおりものです。そのために普通のの男性であれば、シャワーを浴びるなどして清潔にしようとするでしょう。
きっちりと洗っていれば男性の場合は殆ど感染しません。洗うこともせず、そのままにしておくと感染をしてしまうかも知れません。
例えば、女性がカンジダを発症してしまったとします。女性にあまりカンジダの正しい知識が無く、性感染症にかかってしまったとだけ思ってしまうと恐らくパートナーの男性を感染源として疑ってしまうかも知れません。
そして、一緒に病院に行って、検査をして治療をしようと言うかも知れません。
しかしながら、病院でもパートナーと一緒に治療と言うことは言わないでしょう。それだけ男性からの感染は考えにくいのです。
もしも感染をしたとしても男性の場合は軟膏を塗っていればすぐに治りますし、まずその症状は軽度であり気がつかない場合もあるほどです。
しかしながら絶対にパートナー同士の性行為でカンジダが感染をしないとは限りません。カンジダに限ったことではありませんが、コンドームなどの使用により感染の予防をすることができます。
少しでも異常を感じたら、性行為をしなければ感染の可能性は非常に低くなりますし、ちょっと症状が出ていれば病院にかかることをまずは考えましょう。
カンジダ症と生理の関係
外陰部がいたがゆかったり、腫れていたり、または膣内に痛みがあったり、排尿時や性行時に痛みがある場合は婦人科や皮膚科、性病科などを受診するのは一般的ですが、治療を受けようとしたら生理になってしまったり、治療をしているときに生理になってしまったらなど、実は生理と病気で悩むことは多くあります。
特に生理ということで膣や外陰部その周辺に関しての病気には特に気を使わなければなりません。中でも、5人に1人がかかるといわれているカンジダの場合はどのようにすれば良いのでしょうか。
病院に行ってカンジダの治療のために薬を処方してもらうと、多くの場合は飲み薬と膣錠をもらいます。
だいたい1週間程度使用を続けますが、もしも治療中に生理になってしまったとしたら、基本的には治療を一時中断するのだそうです。
理由としては、膣錠を入れたとしても経血と一緒に外に出てしまい、効果が期待できないと言うことです。
それに塗り薬を塗ったとしても、血と一緒にでてしまう、または生理用ナプキンなどについてしまいはがれ落ちてしまうことがあるそうです。
もしもカンジダの治療を受けるのであれば、生理予定日などを考慮して1週間ほど使用できる時期を考えなければなりません。
生理中のカンジダの治療は1度中止しなければなりませんが、それ以外にも実は生理とカンジダは関係性があります。
まず、一つは女性のカンジダ膣炎の場合は生理の1週間くらい前がもっとも症状が悪化する時期となります。
これは膣内は通常は酸性が保たれていて、体外からの菌が入ってくることやカンジダ菌の繁殖を抑えています。
しかしながら、生理が近づく、または生理中は膣内が中性にかわりつつあるので、カンジダ菌が繁殖しやすくなってしまうのです。
さらに生理前などはホルモンバランスが変化しやすい時期でもあり、体の免疫力も落ちてくる時期のため、カンジダ菌にとっては繁殖しやすい時期となってしまうのです。
まず、カンジダ症であると感じたら、そして治療中に生理になってしまったら、治療をしてくれている医師に相談するのがベストな選択です。
赤ちゃんがカンジダになってしまった場合
大人の場合、一般的にカンジダというと性器に症状が出る場合をさすことが多くあります。
腫れ、痛み、かゆみ、女性ではおりものの異常などが特徴的で、膣錠や軟膏などで治療をしていき、1~2週間程度で完治していきます。
しかし、これは大人の病気ではなく、赤ちゃんにも発症してしまう病気なのです。
カンジダはそもそも人間の体内にあるカンジダ菌が増殖をしすぎて発症する病気です。大人では主に性器などの通気性が悪く、清潔に保ちにくい場所に、体力や免疫力が弱っているときに起こります。
しかし、赤ちゃんの場合は抵抗力も弱く、自分で違和感を感じたら、洗ったり下着を替えたりすることができません。その為に、カンジダ症を引き起こしやすいのです。
特に赤ちゃんで見られるのは、カンジダ性皮膚炎で、おむつ等でかぶれてしまう症状とよく似ていると言われます。
おむつをしていると、その内部が、暖かく蒸れてしまいます。また寝ることが多い赤ちゃんの場合は、脇の下や背中にも見られることが多くあります。
その症状も赤く炎症を起こし、その周りに白く膿を持ったぶつぶつができてしまいます。
かぶれているのと見分けがつきにくくありますが、もしも炎症を起こしている部分に白いぶつぶつができていたら、単純におむつかぶれとは違う薬を使用しなければならないので、病院に行って薬を処方してもらいましょう。
赤ちゃんの場合、カンジダ性皮膚炎と診断されると、抗真菌薬である、ラミシールクリーム、フロリードDクリーム、またはエンペシドクリーム、ニゾラールクリームなどが処方されます。
おむつかぶれなどを併発していても、おむつかぶれの薬などを先に塗ってしまうとカンジダが悪化することがあるので、まずはカンジダ性皮膚炎の治療を優先して行わなければなりません。
そのためにも、少しでもおむつかぶれなどとは異なると感じた場合は病院で検査を受けて、カンジダの治療を受けなければなりません。
大人以上に赤ちゃんの場合は免疫力などが弱いので、しっかりと治さなければ再発してしまいやすくなってしまいます。
大人同様に症状は軽く、治りやすい病気ではありますが、赤ちゃんの場合は特にしっかりと治療をしなければなりません。
カンジダ症を放置してはいけない
カンジダはその症状の軽さから、病院に行かずそのまま放置しておいても治ってしまうことがあります。
これはカンジダ菌は人間の体内にいる常在菌であり、体力が回復したりしてしまうと治ってしまうことがあるからです。
しかも、症状も軽いことがあり、「いつもと違うな?」程度にしか思わない人もいるのだそうです。
特に男性は、その症状に気がつきにくく、発症していても気がつかず性行為をしてしまう人も多くいるといいます。
実は、カンジダは放置しておいても治ることはありますが、慢性化してしまう病気でもあります。
病院に行って薬を出してもらって、しっかりと薬を使用しても再発を繰り返してしまうほどなので、非常に再発をしやすいのです。
しかも、特に女性のカンジダ膣炎の場合は、最初に病院に行くと検査があって、膣洗浄があったりして、その後毎日膣錠を使い、外陰部に軟膏を塗るなどの治療が必要になります。
その後、再検査をして完治となるのですが、仕事が忙しかったり、病院に行くのが面倒になりいかなくなってしまう人もいます。
カンジダは薬をしようしていれば、5、6日で症状は消え出すので、それで治ったと考えてしまいがちです。多くの場合、男性でも女性でも、カンジダの症状は性器のかゆみやいたみ、腫れなどがあります。
女性の場合は、おりものが酒粕状になっている白い状態なのですが、薬を飲み始めると収まってくるので、それだけで治ったと思ってしまうことがありますが、ただ薬で症状が抑えられているだけで、完治したとは言えません。
つまり治療の途中で放置してしまっているので、カンジダが完全に治っていない状態なのです。そうなるとカンジダ菌が発生しやすくなってしまい、再発の危険性がかなり高くなってしまいます。
「病院に行くと費用が掛かるし、時間もかかってめんどくさい」と考えてしまうのはしょうがないことですし、カンジダのように症状が軽くなれば病院にも行かなくて良いので、放置をして様子を見ようと考えてしまうのもわかるのですが、もし少しでも異変を感じたら、まずは病院に行きましょう。
そうすることでその後に重症化して、さらに時間やお金を費やしてしまうことを防げるかも知れません。
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