淋病は性感染症の一種で、アメリカでは年間35万人の新規患者が報告され、潜在的には倍以上の患者数がいるのではないかと言われるほど一般的な病気と言えます。
日本でもクラミジアと並んで患者数の多い性感染症で、クラミジアは女性の方が患者数が多いですが、淋病は男性の方が患者数は多いと言われています。
しかし、女性の場合には、妊娠や出産時に淋病に感染していると、赤ちゃんが産道で感染して産道感染を起こす危険性もあるので、感染には特に注意が必要な性感染症であると言えるでしょう。
淋病に感染する原因は、男性女性ともに性行為によるものがほとんどです。淋病は非常に感染力が弱く、暖かく湿ったところでしか発育しにくいのが特徴的です。
そのために、通常の性行為、オーラルセックス、また分泌液に接触した場合などによって感染をしていきます。
感染する箇所も男性女性ともに尿道、口腔内、咽頭、目、肛門となり、女性の場合はさらに子宮頸管、子宮、卵管と広く感染をし、炎症が広がっていきます。
淋病に感染すると女性の場合は、症状が全く出ない場合もあります。または、症状が排尿時の痛みや出血、分泌物がいつもより多く黄色いなど、日常でも起こりうることがあるので、気がつかない場合もあります。
しかし、女性の場合は、性行為が原因で感染をすると、進行する速度が速く、重症となることがあります。
感染から1ヵ月の間に、子宮頸管炎、子宮内膜炎、子宮付属器炎、骨盤腹膜炎、肝周囲炎と症状が悪化してしまうので、注意が必要となります。
また女性の場合、淋病に感染したまま妊娠、出産をしてしまうと産道感染の恐れがあります。
産道感染により赤ちゃんに淋病が感染してしまうと、失明、結膜炎、敗決勝、関節炎、骨膜炎、鼻炎、膣炎、尿道炎などを起こす原因となってしまうのです。
そのために、妊娠した際には必ず検査を受けて治療を受けるようにしましょう。
万が一、淋病に感染したまま症状に気がつかずにいると、女性の場合は不妊症の原因となってしまうこともあるので、少しでも淋病と思われる症状が出たときには、検査を受けるようにしましょう。
女性の淋病とおりもの異常
淋病は通常の性行為の他にオーラルセックスにより咽頭や口腔内にも感染する、日本ではクラミジアなどと並んで感染者の多い性感染症です。
淋病に感染すると、男性の場合は、99%以上の人に症状が出ます。しかしながら、女性の場合には、症状が出てもわかりにくいことやまったく症状がでないこともあります。
しかしながら、体の中ではウイルスは増殖を続けているので、何らかの変化に気がついて、検査と治療を行わなければ治りません。
男性の場合には淋病の症状としてはわかりやすく、排尿時の尿道の違和感や、痛み、熱っぽさ、または黄色いどろどろした膿が出たり、性器が腫れてきたりします。
潜伏期間が2、3日から1週間ほどで、さらにそこからの進行具合も早いのが特徴的で重症化してしまうと前立腺炎や精巣上体炎などになってしまうことがあります。
ただし男性の場合は膿や痛みなどが顕著なので気づきやすいのが特徴的です。
一方で女性の場合の症状は、感染しても明らかな症状が出るのが20%程と言われております。
ただし、特徴的な症状には女性特有のおりもの異常や性器の痒みや腫れ、不正出血、排尿時、性行時の痛みなどがあります。
不正出血や排尿時、性行時の痛みは女性の中でも多くの人が経験していることなので、わかりにくいかもしれませんが、おりものの異常で淋病に気がつく人がいます。
淋病に感染すると、膣内部や子宮周辺が炎症をおこしているために、強い臭いがあります。そしておりもの自体も緑や黄色くなり、膿が混じりどろってしています。
他の性感染症でもカンジダ症の場合はヨーグルト状ですっぱいにおいがしたり、トリコモナスでは泡立ち悪臭がしていたり、クラミジアは白い粘液状のおりものが出るなど特徴があります。
そのために、もしもおりもの異常がある場合には、病院などで検査をしてもらうことをオススメします。
女性の場合は淋病は症状などにきがつかず放っておくと子宮頸管炎、子宮内膜炎、骨盤腹膜炎、肝周囲炎、などを発症し、不妊や流産の原因となってしまうので、早期検査と治療が重要となってきます。
女性の淋病の検査と治療
女性にとっては症状がわかりにくく、感染していても気がつかないことが多くある性感染症の淋病ですが、実はしっかりとした検査と治療をして行けば、完治することができる病気でもあるのです。
淋病に感染すると女性は症状として、おりものの異常や性行為、排尿時の痛みなどを伴います。
もしもこれらの症状を放置しておくと、子宮から体内にウイルスが広がってしまい、不妊症や子宮外妊娠、流産の原因になってしまいます。
淋病の検査方法は主に3種類あります。一つ目は、培養検査です。膣の分泌液を採取して、その中にいるウイルスを培養していきます。
しかし、採取から培養するまでに時間がかかってしまうために、迅速検査が中心の現在ではあまり用いられることはありません。薬に対して耐性ができてしまった淋病などには用いられることもあります。
もう一つは、顕微鏡検査です。淋病のウイルスは比較的大きいために、顕微鏡を使用して確認することができます。
しかし、こちらは男性の尿道から採取した淋病に用いられることはありますが、女性の膣の分泌液では発見できる可能性が50%と低く、あまり用いられることはありません。
女性の場合は膣内に多くの菌がいることが原因で顕微鏡検査は用いられませんあが、男性の早期診断には向いていると言われています。
最も多く用いられる検査が、遺伝子検査です。PCR法やSDA法という方法で行われ、淋病と併発するクラミジアの検査も行えるために多くの医療機関、市販の検査キットではこの方法が用いられます。
男性は尿を女性は膣の分泌液を採取して検査をします。精度は非常に高いのですが、数日間かかってしまうので、顕微鏡検査よりも迅速には行うことができません。
淋病の治療法は、注射もしくは点滴によるものです。淋病はウイルス自体が薬に対する耐性を持ちやすいために、飲み薬などで時間をかけて治すのではなく、注射などで、1回で終わらせることが重要となります。
おおよそ、95%の人が1度の治療で完治します。これらの治療を行ったあと、1週間以上後に再検査を行い、完治したかを調べていきます。
関連記事
女性が淋病の治療に要する期間
淋病は女性にとっては、非常にわかりにくい性感染症であるために、検査するまでも時間がかかってしまいますし、治療期間もいたずらに延びてしまい、完治するまでに時間を要することはよくあります。
女性の場合は淋病に感染したあとの潜伏期間がどれくらいなのか、わかっていません。
これは、女性が淋病に感染してもその症状がでにくいために、どのくらいの潜伏期間があるのかわからないのだそうです。
男性が非常に感染から発症までのスピードが速いのと対照的に、症状が出る人が感染者の20%ほどとすくなく、もしも症状がでたとしても軽くてわからない人が多いそうです。
このように女性の場合は感染したことに気がつかないことが多く、検査から治療までに非常に時間がかかってしまいます。
おりもの異常や排尿時、性行時の痛みなどで淋病に気がついたらすぐに治療がはじまります。淋病は抗生物質などの薬に対する耐性を持ちやすいために、短期間で治療をしていかなければなりません。
そのために、淋病の治療には注射や点滴が一般的に用いられます。主に使用される抗生物質はセフトリアキソン、セフォジジム、スペクチノマイシンなどで、注射であれば数分ですし、点滴であっても数十分の治療時間で終了となります。
しかし、前述の通り、淋病は薬に対する耐性を持ちやすいので、治療から1週間くらいしたあとにもう一度検査をする必要があります。
ここで淋病が検出されなければ良いのですが、検出された場合は、薬が効果が無かった可能性もあるので再度薬を変えて治療をすることもあります。
また、クラミジアなどと同時に感染している場合などは、アジスロマイシンを飲んで治療を行うために、さらに1週間ほど治療期間は延びてしまいます。
これらの治療をすることでほとんどの場合は完治することがありますが、淋病の中には、多くの抗生物質に対して耐性を持っているものもいますし、また途中で勝手に治療を辞めてしまうことで、再発するケースもあるので、きっちり治療を行うことが重要です。
淋病記事一覧