B型肝炎は慢性肝炎になってしまうと肝臓癌や肝硬変などを引き起こしてしまうために、幼少期からの予防が大切だと言われています。
B型肝炎ウイルスに感染して、もしもB型肝炎ウイルスのキャリアになってしまうと、そのうち10%の確率で慢性肝炎を発症してしまうのです。
しかしながら、3歳を越えてしまえばもしB型肝炎ウイルスに感染しても、急性肝炎となるだけど、慢性肝炎にはならずB型肝炎ウイルスは消えてしまいます。
もし感染していたとしても、症状が出ずにいつのまにかウイルスが消えてしまっている場合もあるほどです。
3歳を越えると上記のように、B型肝炎ウイルスはそこまで気にする必要はありません。つまり、3歳までにしっかりと予防接種などを受けておくことが重要となります。
さらに3歳までに予防接種を受けておくことが重要なポイントは、成人に比べて幼少期の方が予防接種の効果が高いからです。
実は0歳の時にB型肝炎の予防接種を3回受けると、ほぼ100%の人に十分なB型肝炎ウイルスに対する抗体ができるのです。
しかしながら、10代の場合はまだ90%と高いのですが、20歳を越えてから同じく3回接種した場合には70~80%の人にしか十分な抗体が産生出来ないといわれています。
その為にもまずは幼少期に予防接種を受けておくことが重要であると言われています。日本ではこのB型肝炎のワクチンは任意接種であり、実費で接種をしなければいけません。
母親がB型肝炎ウイルスを持っているなど、「B型肝炎母子感染防止事業」に該当する赤ちゃんのみが公費で接種をすることができます。
しかし、1992年にはWHOはすべての出生時にB型肝炎のワクチンを接種することを推奨し、世界中で出生後0ヶ月から2ヶ月の赤ちゃんがB型肝炎の定期接種を受けています。
しかし平成27年に厚生労働省がB型肝炎のワクチンを定期接種にする意見をまとめ、早ければ平成28年から定期接種となる見込みとなっています。
どちらにせよ、0歳の時に接種をしておくことがもっとも有効な予防と言えそうです。
現在、我が国で行われているHBVに対する感染予防は、①HBV持続感染している母親からの出産時感染予防対策によるHBV免疫グロブリンとワクチン接種の組あわせによる予防、②医療従事者など希望者に対するワクチン接種による予防、さらに2016年10月より③0歳児全員に対するB型肝炎ワクチン(HBワクチン)による予防が行われています。
引用元:B型肝炎 | 肝炎情報センター – 国立国際医療研究センター
B型肝炎ワクチンのスケジュール
B型肝炎のワクチンには日本で認可されている物は実は2種類しかありません。
1つめは国内産のビームゲン、そしてもう一つはアメリカ産のヘプタバックスⅡです。ビームゲンは正解初の癌予防ワクチンで肝がんを予防することができます。
2つのワクチン共に3回接種することが基本とされ、3回目の接種後には3~5年間の免疫が着くと言われています。
そしてこの2つのB型肝炎のワクチンに関しては接種のスケジュールは基本的に同じとなっています。
1度目の接種のあと、4週間後に2回目の接種を受けます。そして、最初の接種から5~6ヶ月後に3度目の接種を受けます。最初の接種のあとに例えばB型肝炎に接触してしまうと感染してしまいます。
B型肝炎ウイルスに免疫ができるのは最低でも2度目の接種を受けてからとなります。
しかしながら、それでも2度目の接種を受けて1年以内に追加で3度目の接種を受けなければ免疫は消えてしまいます。つまり、しっかりと3度の接種を受けなければ行けません。
世界で180カ国以上でワクチンの接種が行われていて、世界で最も安全なワクチンの一つと言われているのがB型肝炎ワクチンです。
このB型肝炎ワクチンは主に3歳以下の乳幼児が受けた方がもっとも効果があり、将来的にB型肝炎の抗体を得ることが出来るといわれています。
成人するとB型肝炎ウイルスに感染しても自然にウイルスが体内から消えてしまうので、3度の接種をしっかり受けることで、幼少期からB型肝炎ウイルスから守ることができるのです。
当然のことながら大人もこの予防接種を受けることはできますが、20歳を過ぎてしまうとその抗体を獲得できる割合が、70~80%と低くななってしまううため、乳幼児期の予防接種が非常に大事になってきます。
ビームゲンやヘプタバックスⅡの他にも、日本国内では認可されてはいませんが、様々なB型肝炎のワクチンがあります。
例えばTwinrixはベルギー産のワクチンでB型肝炎だけでなくA型肝炎との混合ワクチンとなっています。
このTwinrixは初回、4週間後、半年後の3回の施主をすることにより最大で10~15年もの間効果が持続されると言われています。
また2度目、3度目を海外で接種することも可能なために、長期滞在する場合などにも利用をされています。
B型肝炎ワクチンの間隔
ビームゲンとヘプタバックスⅡの接種の間隔は全部で3回の接種をする必要があります。初回の接種のあと4週間後に2度目の接種を受けます。
そして、初回から5~6ヶ月後に3度目の接種を受けます。この3度目の接種を受けることで3~5年間は効果が持続すると言われています。
この2つのワクチンは、2回目のワクチン接種でも効果はありますが、3回受けるよりも効果が短くなってしまいます。その為に、しっかりと3回の接種を受けることが進められています。
しかし、この2種類のワクチンにも接種の方法が2種類あります。1種類は上記のように、海外への渡航や医療従事者がB型肝炎の予防接種を受ける場合ですが、もう1つは母親がB型肝炎の感染者で、赤ちゃんへの感染を防ぐ場合です。
この場合は生後48時間以内にB型肝炎免疫グロブリンを接種し、2ヶ月目、3ヶ月目、5ヶ月目と間隔をあけて接種をします。
これによって体内にしっかりとB型肝炎から守ってくれる免疫を産生することができます。
また、この2つのワクチンは不活化ワクチンという種類です。B型肝炎の不活化ワクチンの場合は、その他のワクチンも接種するとなると、その他のワクチンを受けるまでには6日間以上の間隔をあけなけれなりません。
B型肝炎のワクチンの他には、インフルエンザや小児用肺炎球菌、ポリオや日本脳炎などがあります。
この不活化ワクチンともう1種類のワクチンは生ワクチンです。生ワクチンの場合は異なるワクチンを接種する間隔は、27日以上あけなければなりません。
こうした間隔を空ける理由は、発熱などの副作用のでる期間を避けることと、抵抗力を十分に高めるためです。
B型肝炎のワクチンを接種する場合は、種類や状況によってその受け方や間隔も違ってくるので、まずはかかりつけの医師や、ワクチン接種時にしっかりと相談をすることが必要となってきます。
B型肝炎ワクチンの副作用
数ある薬の中でB型肝炎のワクチンは世界で最も安全なワクチンの一つと言われています。世界中で使われている様々な薬は使用すると副作用がでるものがあります。
しっかりとした臨床試験がされた上で、使用をされていますが、多かれ少なかれ副作用がでるのは仕方が無く、それ以上にメインとなる病気を回復させることを目的として開発されています。
そのために、世界一安全なワクチンであるB型肝炎のワクチンでも副作用はあります。
B型肝炎ワクチンの副作用は、発熱、発疹、かゆみ、腫れ、疼痛、吐き気、下痢、頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛、手のしびれなどが、接種した人の5%以下の割合で見られることがあり、その発生率は非常に低くなっています。
もしもこれらの症状が出たとしても重症化することはなく、数日以内には回復することも報告されています。
そもそもB型ワクチンは幼少期とくに0歳の時に接種することが有効だとされています。
それは、大人になったときよりも抗体を獲得する確率が非常に高く、また大人になるとB型肝炎に罹っても重症化することがないために、もっとも有効な接種の時期と言われているからです。
実は副作用が出る割合も、幼児期に接種した方が非常に低いのです。幼児期で副作用が見つかるのは殆ど希だと言われています。
大人でも5%しか副作用が出ない割合からすると、幼児期は非常に割合が低いことがわかります。
このことからみても、B型肝炎のワクチンは幼児期、特に0歳の時に受けておくのがもっとも良いと言えるでしょう。
B型肝炎のワクチンは世界中にいくつもあります。日本で認可されている物は国内産のビームゲンとアメリカ産のヘプタバックスⅡです。
しかしながら、これらのワクチンはいずれも長期間使用されていますが、安全性についての問題が起こったことがありません。
ワクチン接種には中和抵抗性変異ウイルスの発生も心配されていますが、ユニバーサルワクチネーションの研究によると、この中和抵抗性変異ウイルスは一定の割合では見られるものの、変異株が広がる兆候は見られないと発表しています。
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