HIVを検査する場合、体内にあるHIVを検査によって突き止めるわけではなく、HIVの抗体が体内で産生されているかどうかを調べる抗体検査がまずは初期段階では一般的であると言われています。
もともとHIVウイルスに感染するとHIVウイルスは体のリンパを目指し増殖しつつ移動をします。そこで急性感染期を迎え、発熱や発疹、リンパ節の腫れが出てきます。
この段階では感染から2~8週間くらいであり、まだ検査をしても体内で抗体ができておらず陰性となってしまいます。
そのご無症候期を迎えますが、この時期に体内にHIVが大量に増殖しており、抗体も同様にできはじめるのです。
もちろん、より早い時期からの感染をみつけることも可能ではあります。核酸増幅法によってウイルス遺伝子を調べる方法や、抗原検査によりHIVに関連するタンパク質を調べること、また抗体と抗原を両方とも調べることのできる、抗原抗体同時検査もあります。
HIVの検査はまずはスクリーニング検査を行います。これはその後に行われる確認検査の前段階の検査で、ここで陽性となると、もう一度検査をします。
この確認検査で陰性であれば、スクリーニング検査の精度の問題であるという事でHIVには感染していないと判断されます。
このように2段階で検査を行うことによって、本当にHIVに感染しているのか、感染していないのかを調べることができます。
HIVの抗体検査のスクリーニング法としてはPA法、PHA法、ELISA法が主に使われています。これらの検査は非常に簡単であり、偽陰性は殆どでることがないために用いられています。
一方で確認法で用いられるのはWesternblot法とIFA法となります。この2つの方法はPA法、PHA法、ELISA法よりもさらに精度が高いので確認法に用いられています。
こうした検査を病院や保健所、または検査キットなどを用いて行っていきます。即日結果を知ることができる場所と検査から1~2週間後に知ることができる場所があるので、各場所に確認をすべきでしょう。
スクリーニング検査が陽性の場合は確認検査を行う。抗体確認検査としてウエスタン・ブロット法(WB 法)を行い、典型的な陽性パターンを示す場合は HIV 感染と判定する。判定保留、または陰性であっても感染初期が疑われる場合は核酸増幅検査(NAT)を行い、感染初期か否かを確認する。感染初期で抗体が弱陽性のケースや抗体の陽転前で抗原陽性のケースでは WB 法で判定ができないため、NAT を行う。
引用元:HIV追加検査‐厚生労働省
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HIV検査はいつすべきか
HIVに感染した場合、すぐに検査をしても陽性という結果はでてきません。これはHIVそのものが体内にあるかどうかではなく、HIVの抗体があるかどうかの検査であることが理由にあります。
抗体はHIVウイルスが体内に侵入してきてもすぐには産生されず、感染から約4週間後から血液中のHIV抗体を検出することができます。
しかしながら、HIVに感染して2週間から8週間の間で起こる初期症状を伴う急性感染期が終わってしまえば、ほとんどの人が検査を受けることはなくなってしまいます。
これは、この急性期の時期には発熱や体のだるさ、リンパ節の腫れなどの風邪に似たような症状しか起こらず、知らないうちに収まっていることがほとんどであるからです。
この症状がなくなってしまえば、風邪が治ったと思い検査をしなくなってしまうのです。
感染から約2週間でもしも何らかの症状がでて、これまでの行為にHIVの感染してしまうような心当たりがあって、検査をしても陽性とならないことがあります。
抗体がまだ産生されていないときに検査をしても本当の結果がでてこないのです。さらに、検査をしにいくとまずはスクリーニング検査を行います。
これは検査結果の精度を高めるために用いられる方法でPA法、PHA法、ELISA法があります。非常に簡単でまた検査結果の精度も優れており、偽陽性の出る割合は約0.3%ほどと言われています。
しかしこの段階で陽性という結果が出てしまうことがあります。その場合は、その後にWesternblot法やIFA法で確認検査をして偽陽性ではないかどうかを確かめていきます。
これらの検査方法は保健所、病院、検査キットを購入して検査することができます。保健所は全国都道府県にあり、費用も無料で匿名で受けることができます。
病院では、費用はかかり一定の条件が揃わなければ保険も適用されません。しかし、即日結果がでることや近くの病院でも検査ができます。
検査キットも自宅で行えること、またその結果をインターネットなどで確認することができるので、忙しい人などに向いているかも知れません。
いずれの検査も初期の急性感染期に見つけることは非常に困難ではあります。
しかし、それ以降は自覚症状がなくなってしまうためにさらに発見は難しくなります。少しでも可能性がある行為をしたときには、まず検査を受けた方が良いかも知れません。
HIV検査ができる場所
もしもHIVに感染しているかも知れないと思ったときは、必ず検査をしなければなりません。HIVは進行速度は遅い物の完治する方法がいまだに開発されていない病気なのです。
しかし早く検査し発見することでその進行を防ぐことができるのです。検査をする場所としては病院、保健所、検査キットを購入するのうちのいずれかを選択するのが一般的です。
この3つの方法からもっとも自分にあっている検査方法を選べば良いのです。
保健所のもっとも優れているメリットは無料でHIVの検査を受けることができることです。そして、匿名で検査を受けることができます。
やはり自らの名前がでてしまうことに恥ずかしさを覚える人もいるでしょうし、HIVの検査自体を病院などで受けようとすると有料となってしまいます。そうした点では非常に有効的な手段と言えます。
しかしながら、デメリットとしては、日時が指定されていること、また保健所が限られているという点です。
平日朝から晩まで忙しく働いている人にとっては行くことのできない時間であったりしますし、土日に行われているところもありますが、ごく僅かな定員が決まっていたり、土日に開催している保健所が遠かったりするなどの状況もあります。
保健所の他には病院で検査を受ける方法もあります。病院の場合は匿名で無料でというわけにはいきませんが、診察時間内であればどこでも検査が可能であります。
しかし、HIV検査に関しては保険がきかないこともあります。平成24年に法律が改正され少し緩くはなり、自覚症状がなくても性感染症が認められれば保険適用ができるようになりました。
しかしながら、自覚症状がない場合、HIVと同じルートの性感染症に感染していない場合、つまり単純に自分の中で疑いがあると思っただけでは保険適用にはならず高額な検査費を支払わなければならない場合もあります。
病院と検査キットに関しては保険などの適用はありませんが、費用が3000円~で検査できる物もあり購入に関してはかなりお手頃となっています。
しかしながら、血液などの検査検体を自分で採取するために、しっかりとした結果がでないこともあります。
いずれの方法も長短はありますが、自分のライフスタイルなどに合わせて選択して、早期発見に努めなければなりません。
HIVの検査キットについて
HIVに感染したかも知れないと自分で思ったときには基本的には病院や保健所などの医療施設で検査を受けることをオススメします。
しかしながら、そうした施設で受ける場合は時間も限られてくること、また保健所で無料で検査を受けることができる場所もありますが、検査費がかかってしまうこと、また他の人に見られることへの抵抗感から行けない場合もあります。
ただ検査をしなければいけないので、そんな時に役に立つのが検査キットなのです。
検査キットは簡単には自分の自宅で都合が良いときに使用することができるので非常に便利なのです。
約10年前に登場したこの検査キットは近年のHIV感染、エイズ患者の増加に伴いその利用者も増えてきています。
平成25年の新規HIV感染者数は1106人となり過去2番目の多さであり、新規エイズ患者数は過去最多の484人となっているのです。
それだけ患者数が増えているにもかかわらず、実は保健所でHIVの検査を受ける人は年々減少している傾向にあります。平成20年をピークに減少し統、平成25年には15万人を下回っています。
検査キットに関しては保健所とは反比例をして検査キットを使用する人が増えているのです。平成24年には約6万5000個のキットが使用されているのです。
検査キットの使用方法は極めて簡単で、まずキットが自宅に到着したら、キットを使用して血液などの検体を採取します。その後同封されている封筒などで検体を返送します。
検体が到着したら検査が開始され、およそ1週間ほどで検査の結果は出てきます。その結果が郵送で帰ってくる場合やWEB上で確認することもできるのす。
誰にも顔を合わせることなく簡単にできるので、使用者が増えていると言われています。
現在HIV検査のキットは非常に多く販売しており、その値段も3000円~あるなどかなりお手頃な価格となっています。
さらに検査キットの検出精度も高くなっているので、安心して使用をすることができます。
HIV検査の方法は病院、保健所、キットと様々ありますので、自分の都合などに合わせて選ぶのが良いと思います。
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