普段から元々、体内にいる菌が膣内で過剰繁殖して炎症を起こす常在菌感染症の病気です。
体調の悪化や生理周期や妊娠等によるホルモンバランスの変化で膣の自浄作用が低下することによって元々いる大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌などの一般細菌が異常繁殖、増殖して症状を引き起こします。
女性のみの病気で過度のセックス、洗浄のしすぎやホルモンバランスの崩れや疲労、体力ての低下が原因で引き起こされます。
自覚症状の少ない病気で放置しておくと早産や流産の原因にもなるので早期発見をして治療しておく必要があります。
細菌性膣症とは、座内 Lactobacillus spp.の菌量の減 少に伴い、種々の好気性菌や嫌気性菌が、正常腔内で異 常に増殖している状態である。言い換えれば、座炎の中 C. Candida Trichomonas Neisseria gonorrhoeae などの特定の微生物が検出されないものを、非特異性座 炎、または、細菌性膣症と呼ぶ。WHOの細菌性膣症の診 断基準を表2に示す。WHOの診断基準では、膣分泌物の pH は 4.5以上であると記載があるが、実際は、5.0以上 であるとすることが望ましい。
引用元:細菌性膣炎ガイドライン-日本性感染症学会
細菌性膣炎の原因
細菌性膣炎の原因は、膣内の環境が乱れることによって起こる炎症です。よく、性器の症状が起こると、性交渉などが原因で感染したのではないかと思われてしまうことが多いですが、性交渉自体がが原因で細菌性膣炎になることはあまりありません。
膣内の環境は通常は乳酸菌によって酸性に保たれ、自浄作用があります。
この乳酸菌の一種であるラクトバチルスなどが存在していますが、この乳酸菌がいなくなってしまうと、通常膣内には存在することのできない、腸球菌、B郡連鎖球菌、膣桿菌、コリネバクテリウムなどが増殖してしまい、膣内の環境のバランスが乱れ、悪臭、おりものの異常、痛みやかゆみなどを引き起こします。
これらの通常は存在しない菌が増殖してしまう原因としては、いくつかの問題点であげられます。
一つ目はストレスや疲れ、寝不足などで免疫力が低下しており菌の繁殖を防げなくなってしまっているときです。
どの病気にも共通して言えることですが、生活習慣や普段の生活などがもっとも重要であると言えるでしょう。
そして、もう一つ普段の生活で気をつけるべき事はお風呂やウォシュレットなどを使用するときです。
これはお風呂の場合は清潔に膣をするのは良いことなのですが、洗いすぎてしまうと膣内の善玉菌も洗い流してしまうことになり、その分、腸球菌、B郡連鎖球菌、膣桿菌、コリネバクテリウムなどの増殖を促してしまうことになります。
ウォシュレットも同様で、膣内を勢いよく流しすぎてしまうと善玉菌が流れてしまうだけでなく、水圧によって膣内を傷つける結果にもなってしまい、細菌性膣炎を起こしてしまうのです。
そして、もう一つは性交渉によるものです。これは性交渉で感染をするのではなく、不特定多数、新しいパートナー、性交渉の回数が多いほど細菌性膣炎になりやすくなっています。
また、不衛生な状態で性交渉をしてしまうと、膣内の傷や性交渉をしている場所にある雑菌が入ってしまう原因になってしまうのです。
細菌性膣炎の症状
細菌性膣炎は主に、悪臭やおりもの異常などの症状が特徴的です。本来は膣内では乳酸桿菌とその他の細菌などがバランスを保っており、大腸菌や悪臭をはなつ細菌などは繁殖しないようになっています。
しかしながら、そのバランスが崩れて乳酸桿菌がその自浄作用が弱くなってしまうと、おりものや悪臭などの症状を引き起こしてしまいます。
細菌性膣炎の代表的な症状の特徴としてはにおいです。魚のような生臭い臭いがもっとも特徴的でこの臭いだけで細菌性膣炎と診断をされることもあります。
これは、膣内でどの菌が繁殖したかによってもにおいは変わってくるそうですが、特に生理後、性交渉後にはにおいが顕著になると言われています。
そしておりものの異常も特徴的です。おりものの色が灰色や白色のおりものが出てくることがあります。また、膿が混ざっており黄色くなることもあります。
細菌性膣炎だけではおりものの異常が見られることが少ないために、おりものに異常がある場合はその他の感染症なども疑わなければなりません。
そして、膣内の炎症が強くなっている場合には排尿時の痛みや尿道周辺の違和感を感じることもあります。細菌が細かな傷などに感染して痛みやかゆみなどを伴う場合もあります。
痛みやかゆみなどの症状は軽すぎてわからない場合もあるそうです。自覚症状がないまま自然治癒してしまうこともあります。
こうした細菌性膣炎の症状は性感染症などにかかると同じような症状が見られることがあります。
特に、淋病や、カンジダ症、トリコモナス症などの症状に似ており、間違って診断されることもあります。
また、子宮がんの場合もおりもの異常や悪臭をすることもあるので、病院に行った場合には、症状をしっかりと伝え検査もしてもらう事が重要です。
細菌性膣炎であれば症状も軽く自然治癒などでも治ることがありますが、その他の病気は自然治癒することがないので、しっかりとした治療が必要になってきます。
細菌性腟症の約半数は無症状であり、自覚症状として も帯下感の訴えは軽い。局所所見では、座分泌物の多く は灰色で、漿液性、均質性である。ときに悪臭を訴える ものもある。座分泌物の量も多くなく、膣壁にも明らか な炎症所見はみられない。
引用元:細菌性膣炎ガイドライン-日本性感染症学会
細菌性膣炎の検査と治療
膣の分泌液を検査することで感染の有無をチェックできますが何度も言うように自覚症状が無い事も多々ありますので注意が必要です。
特に妊娠が分かった人は14週までに治療しておけば早産になることはほとんどないそうなので検査を受けておくと安心です。
細菌性膣炎を診断された場合は膣坐薬の挿入や抗生物質入りの軟膏の塗布、抗生物質の服用などが行われるとともに膣洗浄を行います。
ただし膣洗浄は善玉菌まで洗い流されてしまうので感染症発生原因にもなりかねないと言われています。
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